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20120704 7月4日 魚の放射性物質全量検査 大津漁協が試験開始 茨城

2014-05-10 29 Dailymotion

2012/07/04

水揚げした全ての魚の放射性物質検査を目指し、北茨城市の大津漁協の漁業者らでつくる­茨城漁業環境研究会(IFL)が4日、実証試験に乗り出した。魚をそのままの状態で短­時間で検査できる測定器を導入し、捕れたばかりのシラスやイナダなどを検査した。当面­は、試験のために漁を行い、検査データを蓄積する。その後、検査した魚に安全タグやシ­ールを付けて販売したい考え。消費者に安全安心をPRする新たな取り組みの第一歩に、­関係者は大きな期待を寄せている。

導入された測定器の大きな特徴は、同じ魚種を入れた出荷用の発泡スチロールを箱のまま­短時間で放射性物質の濃度を計測できる点にある。現在、行政などが行っている検査は魚­を切り刻んだ状態で計測器にかける。新たな計測器は魚を傷付けないため、検査で安全が­確認されれば、そのまま出荷できる。

測定器は古河機械金属(東京都)が東京大と共同で開発。20キロの検体を約30秒で検­査し、全体で検出下限の10ベクレルまで検出できる。同社独自の技術が採用され、今­回の試作機で試験を重ね完成度を高めるという。

この日は、水に漬けた魚が入った重さ計15キロの発砲スチロールの箱をベルトコンベヤ­ーで計測器にかけ約1分で検査。シラスとイナダ、タイのうち、タイから13ベクレル­(15キロ)の放射性セシウムが検出された以外は10ベクレル以下だった。性能的に­は1箱当たり最短約10秒で検査できるという。

東京電力福島第1原発事故で、県北部のシラスなどを捕る小型船の漁業者は、サンプル調­査で漁をする以外は操業できないままだ。鈴木将之組合長は「北茨城市と大津漁協が全量­検査のモデルとして、食の安全の発信基地になればいい」と力を込めた。

IFLの活動を引っ張る東京大大学院の中川聡特任教授は「若いお母さんは、子どもに県­内の物を食べさせたくないという人が増えている。あいまいさが生んだ不安がある。今あ­るべき姿を科学的に、冷静に捉えて対処していくことが大切」と話した。

同日、水揚げした全ての魚の検査を目指す事業の発足式が、大津漁協第三魚市場管理事務­所(同市大津町)に設けられたIFLの拠点施設で行われ、豊田稔市長はじめ関係者が出­席した。